アンチエイジングって難しい言葉です。
コスメやエステ業界では一般的に使われる言葉ですが、この言葉に抵抗がある方も少なからずいらっしゃると思います。
そもそも「アンチ」って言葉がいや。
私は年齢に抵抗するんじゃなくて、年齢に寄り添って生きていく。
私は年齢を受け入れて抵抗していないんだから、アンチじゃない。
日本語に直すと、アンチエイジングは「抗老化」。
なんかカッコよくないし、老化ってハッキリ口にされるのイヤだし、なんか昭和な感じ・・。
抵抗するって言葉は「抗っている」ってことだから、自然の摂理に反しているイメージだし、必死なイメージだし、なんか「ナチュラルな生き方」じゃないイメージ。
また、東洋医学的って、強制的にエイジングに「抵抗」するって言うより、
寄り添っていくイメージありませんか？
皆さんとっても正しいです。
でも私は東洋医学（西洋医学も）を勉強した後、すこし別の見方をするようになりました。
東洋医学は、起源が3000年以上前（ほんとはもっと古いと言われている）。中国を含むほとんどの東洋諸国では、医学はつい最近まで東洋医学＝鍼やハーブ（漢方）が主流でした。日本でも明治維新までは東洋医学が主流医学でしたので、江戸時代位まで、代々の将軍達は、だいたい漢方薬の医師や鍼師を「家庭医」「幕府専属医」としてもっていた訳です。
いまも、予防や少しの痛みなら、東洋医学（鍼や漢方）でケアして、負担のより多いお薬や手術はなるべく避けたいって方はとっても多いし、アジアの他の国でも大体似たような考えは根底にあります。東洋医学発症の地、中国では、現在西洋と東洋の医学が併用して国家の医学として認められており、中国では鍼灸師はほぼみんな医師免許を持ったMDです。メディカルスクールにちゃんと行ってレジデントを経て、いろんな科を廻って、東洋医学の専門医となる訳です。
話がそれました。
中国の皇帝達は、長寿であること（権力の座に長く居続けること）と、子孫を残すことに非常に熱心でしたので、医師の手腕が問われるのはその２点が非常に大きかったといいます。医師の運命は、皇帝やその家族の妊娠、出産や寿命をのばすことの成功で決まっていたため、医師の死活問題でもあったわけです。（失敗すると容赦なく罰されたらしい。。。）
西洋医学もルーツで言うと同じです。が、Vaccine（ワクチン）の開発が、度重なる疫病やの歴史を塗り替え、更に救急医学が戦争には欠かせなかったため、だんだんと西洋医学はアジアでも主流医学となりました。でも東洋諸国でもアメリカでさえも、今でも「かかりつけの家庭医」は、日常生活や食、運動のアドバイスをして「寿命を長くするお手伝い」をする場合も多いです。東洋医学も、人間をケガや病気、あるいはそれらが引きおこすかもしれない「死」からなるべく遠ざけようとする＝寿命を延ばす、という目的は一緒です。
人間ってすごく昔から、いつか来るであろう死に「抗ってきた」生き物だから、できればぎりぎりまで、死は怖いし避けたい。でもって、できればその最後の瞬間までこの人生を楽しみたいから、寿命をまっとうするまでは健康でいたい。
アンチエイジングっていうのは、そういった人間の自然な欲求に応える試みとも言えます。
美容で良く使われる言葉だから表面的に捉えられてしまっているイメージが強いですが、老化すること、イコール、身体や心の機能がだんだんと弱ってくることでもありますから、それに抵抗することっていうのは、アンチエイジングな訳です。そのために行う試み、例えば年齢に従い食事に気をつけたりエクササイズすることや、ひいてはがんの治療をするのだって、広義でいえば「アンチエイジング」です。
年齢を経てからの心身ともの「健康」っていうのは、「加齢に抵抗すること」で手に入るともいえるかも。
極論で言うと、なーーーんにも自分の健康に気をつけない、なんでも好きなものを食べ、飲み、エクササイズナシ、で全くケアをしないままその日暮らしで生きるのは、ある意味「無為自然な生き方」ってことになります。が、それをあえて実践することって「早死に」するライススタイルという認識、みんなもある筈。でもって、事実そのように生きている人は、とっても少ないはずです。肌とかの表面だけじゃなく、内臓、心もできる限り健康でいきいきと長生きしたい。そう思うことって自然で、それがアンチエイジングって事なんだと私は思っていて、アンチエイジングって言葉は実は人間の根源的欲求に素直な言葉、と思っています。
東洋医学は、日々の痛み、生理のこと、肌のこと、心のことや、プチ不調などのささやかな「抵抗」＝アンチエイジングのお手伝いをします。
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