コロナのロックダウンが終わり、ワクチンも終わったので、フランス人はどのような美容鍼を実際に受けているのか?とフランスの美容鍼事情が気になって、患者として体験してみようと思い、Doctolib https://www.doctolib.fr/ (Franceのドクター予約サイト)で美容鍼をやる先生を見つけて、行ってきました。
フランスは基本MD/メディカルドクター(医師免許を持つ医者)しか、鍼をうつことは出来ないとされています。ですが、ドクター以外でも鍼をやること自体が不法な訳ではないという状態です。ややこしいですが、要は鍼灸治療を鍼灸師がやっても「違法ではない」=医師でなくとも治療しても良い、ということらしいです。医師の職域を侵すような広告、宣伝をしなければ大丈夫らしく、パリ市内では鍼灸師が沢山開業されていらっしゃいます。
欧州は、EU諸国各国のなかで Alternative Medicine = 代替医療従事者の立ち位置がまちまちです。北欧、ドイツ、スイス、オランダやオーストリアなどは、比較的自由で、フィジカルセラピー、カイロセラピー、鍼灸などの新しい医療が取入れられているのに対して、フランスは厳しいというか、医師たちの領域は守られるべきという保守的な立場のようです。
(米国が多分一番自由診療が出来る国。病気の人に対して医師が少ないため、サブであった代替医療がどんどん取り入れられ、東洋医学医師も普通に「主治医」になれる州もあります。それに伴い、鍼灸師へも高いリスペクトがある州が多いです。)
パリで美容鍼をやる医師も多いかなと思っていろいろ検索してみたのですが、日本やアメリカほどさかんではない感じです。調べてみると ホメオパシー & OD(整形科医)の医師が美容鍼や身体の鍼もやることが多いみたいで、その中でパリ16区にあるホメオパシードクターを、美容鍼目的で訪ねてみました。
訪ねてみると、診療室に施術ベッドはなく、診療ベッドを使う60代の快活なおじいちゃん先生でした(うつぶせ治療はできないと思う…)。英語を殆ど話さないドクターだったのであせりましたが、私の下手なフランス語でも「顔のアンチエイジング鍼」と言ったらわかってくれて「フェイシャルは20分置き鍼するから全部で30-40分ね」と応じてくれました。で診療台で仰向けになり美容鍼スタート。
身体には一本も鍼うたない方式で、そして、フランスでよく見るガイドチューブなしの直接刺鍼、これは中国式の然針法(ねんしんほう)と言われる方法で、箇所によってはけっこうちくちくします。ポイント(ツボ)に関しては目新しいことはナシ、TCMの基本ツボにうっています。本数は20本強。20分置いて終了した後「私アメリカの鍼灸師なんです」と言ったら、カタコトながら美容鍼の話が弾み、なんとこのドクターはパリで1980年代に美容鍼を(おそらくフランスでは最初に)提唱した先生で、アンチエイジングの本も何冊も出版されていらっしゃる方なのでした!
診療に関しては、私は個人的に美容鍼も全身治療と思っているので身体にも鍼するほうが良いと思っていること(うつぶせも必要な際には入れます)、そして問診は絶対必要と思っているので、パリの現地医師はスタイルが違うなあ~という感想です。
フランス語の勉強がてらにこの先生の本を読んでみようと思いつつクリニックを後にしました。
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